屈折する星屑エセー

世はさだめなきこそ いみじけれ

「0.00」ゼロ距離避妊具NES/Tは誕生するか!?

アメリカ国立衛生研究所では昨年11月、男性向けの画期的な避妊薬の臨床実験に参加を希望する400組の男女カップル募集を開始しました。「NES/T」と呼ばれるこのジェルは、プロゲスチン化合物を含むセジェステロン酢酸(商品名ネストロン)と、男性ホルモンのテストステロンからなり、これを1日1回男性の肩や背中に塗ることで体内に吸収され、プロゲスチンが精巣内のテストステロンの製造を妨げて、精子の数を限りなくゼロに近づけるというもの。
(中略)

塗り始めて精子の数が十分低くなった時点で、女性がピルをやめても妊娠しなくなるとのこと。また、女性用のピルは1日でも飲み忘れると妊娠のリスクが高まるのに対し、このジェルは1回塗り忘れてもそれほど大きな影響はないそう。さらに、気になる性欲低下のリスクも、テストステロンを同時に摂取することで防げるといいます。『日刊ゲンダイ』「塗るだけでOKの男性用避妊薬 ついに臨床実験スタート」2019年1月15日 塗るだけでOKの男性用避妊薬 ついに臨床実験スタート(日刊ゲンダイDIGITAL) - Yahoo!ニュース

 FDAに承認されるか?

仮に、臨床データが揃い市販された場合、衛生業界の世界的イノベーションになるだろう。

しかしFDA(アメリカ食品医薬品局)の承認が得られるだろうか。万が一にデータの有効性が認められたとしても市場に出るか非常に疑わしい。

その理由は容易に想像できる

性病の蔓延。

手軽さと高い避妊成功率

塗るだけの手軽な避妊方法であれば従来の避妊法であるコンドームを装着したり、ピルを飲み続けたりといった手間や負担がほぼ無くなる。加えて記事にある通りの高い避妊率であれば、コンドームの装着ミスやピルの飲み忘れによる妊娠のリスクを大幅に低減させることができる。

快楽に流れやすい人間

そして何より、快楽を求めて「NES/T」を選択するカップルが大多数にのぼるだろう。コンドーム製造各社は薄さを追求していることからもわかるように、男女の距離を縮めるよう製品開発に注力している。

0.02ミリが世に出たとき私は「うすっ」と驚いた記憶があるが、友人の財布から0.01ミリがのぞいた瞬間(遂に出たか)と日本の技術力に感心してしまった。もちろん言うまでもないが、その0.01ミリは私がこっそりもらっておいた。ちなみにまだ001番長は出撃の機会に恵まれず押入れの中で臨戦態勢をとり続けている。という私の切ない話は置いておくとして本題に戻す。

f:id:xray-stardust:20190117212246p:plain

www.malecontraception.center

消費者は「NES/T」のお手軽さや低い妊娠可能性といったメリットを選択するよりも、「薄い」から「ゼロ」になることで従来型避妊具より快楽が得られる点を積極的に支持するのは間違いない。

ん?しかし政府の役人が興味を持てばどこの国でもスルスルっと認可が降りそうなものである。あくまでイメージだがトランプ大統領は「I wanna use it!!」などと執務室で叫ぶかもしれない。人間なんてそんなものだ。

快楽とひきかえに差し出しているもの

その結果起こるのは性病の蔓延に他ならない。特定の相手とのみに使うのであれば比較的安心できるが、不特定多数と性的接触をする人はもちろん快楽を追求しているのであってわざわざコンドームを使用するとは考えられない。そのときに何を使うか。「NES/T」一択である。このケースではパンデミックまでそう時間はかからない。

今、日本で社会問題になりつつある梅毒感染流行の比ではないだろう。(2017年は44年ぶりに5000人突破。)

人類の古き友、コンドームの活躍ぷり

この辺りでコンドームの活躍を確認したい。

一発KOで感染してしまう未来の避妊薬「NES/T」ではなく、薄いがしかし二人の距離は遥かに遠いコンドームが日々どんな病気からカップルを守っているのだろうか。

性感染症(STD

  • 性器ヘルペス
  • 尖圭コンジローマ
  • 淋菌感染症
  • 性器クラミジア
  • 梅毒
  • B型肝炎
  • HIV感染症

ざっとあげただけでもこれくらいある。並べてみると余計に病名から発せられるエネルギーがすごい。STDに感染したくなかったら「ゼロ」ミリ避妊具「NES/T」よりもコンドームを使おうと思うだろう。快楽に負けた挙句HIVになりましたでは元も子もない。

ただし、感染源は体液であり感染経路も多岐にわたるためドクターが射精時のみの装着はダメ!と注意喚起しているのもお忘れなく。つまりオーラルセックスやアナルセックスなどの体液と接触する性行為も感染経路である。

え〜、本当に塗った?

他にも憂慮していることがある。

ゼリーの使用に際し、背中や肩に塗布したとわかるサインのようなものがなければ本当に避妊しているのか判別できない。

男性側の

「塗ってるから(このまま生で)いい?」

という快楽目当ての提案を真に受けるのは危ないが、かといって避妊しているかがわからなければ男性を信用するしかないだろう。信用できないにしても、いい雰囲気の中で女性の方から「一応、(コンドーム)付けて」と言えるだろうか。言えたとしても男性の表情が明らかに不機嫌になるのに耐えられる女性も少なくない。男性のことが好きならば、なおさら行為中にそんな顔は見たくはないはずだ。もしくは手持ちのコンドームがないから、と押し切られることも考えられる。

これはケーススタディだが、避妊中である状態が他者から分からなければ望まない妊娠も増えるだろう。

結語

塗布型の避妊具「NES/T」は特定の相手としか性行為をしない、というカップルだけに許された未来のゼロ距離コミュニケーションツールなのだ。

 

それにしても私の001番長はいつ出ていかはるのだろうか・・・。いや、その前に002パイセンもおったな。