屈折する星屑エセー

世はさだめなきこそ いみじけれ

日本食の欺瞞、ヘルシーって何?塩分目標改定へ

キャンプに行ったり釣りをしたりと更新遅れてしまいました。

過激なタイトルであるが「日本人と塩」というテーマで考えてみたい。

きっかけはこちらの報道。

塩分目標0.5グラム減

来年改定の「日本人の食事摂取基準」、塩分目標量は0.5グラム減へ

健康の維持や増進を図る上で摂取することが望ましいエネルギーや栄養素の量の基準をまとめた「日本人の食事摂取基準」が来年、改定される。現在、厚生労働省で内容の検討が進んでいるが、この中で、食塩相当量の1日摂取目標量がさらに厳しく引き下げられそうだ。(中略)食塩相当量について、検討されている新たな目標量は、18歳以上は男性が7・5グラム未満、女性が6・5グラム未満。5年前の平成27年版では、男性8・0グラム未満、女性7・0グラム未満だったので、男女とも今より0・5グラム厳しくなる。

食塩の取り過ぎは高血圧を引き起こし、心臓病や脳卒中、腎臓病などの原因となるだけに、WHO(世界保健機関)は5グラム未満、また日本高血圧学会は6グラム未満にするよう勧めている。新しい目標量はこれらに比べるとまだ余裕のある数字ともいえる。

 ただ、厚労省の「国民健康・栄養調査」によると、29年の日本人の1日当たりの食塩摂取量(食塩相当量)は男性10・8グラム、女性9・1グラム。

『産経新聞』「来年改定の「日本人の食事摂取基準」、塩分目標量は0.5グラム減へ」2019.1.24 10:30https://www.sankei.com/life/news/190124/lif1901240007-n1.html

厚労省による来年改定の塩分相当量1日摂取目標量が男性8.0g→7.5g、女性7.5g→7.0gに引き下げられるという。

これでも厚労省はぬるめの設定。日本高血圧学会は6g未満、WHOでは5g未満としている。WHOがここまでのサディストだとは知らなかった。

WHO5g未満!?

それにしてもこれは和食にとってかなり厳しすぎやしないか。和食はユネスコ無形文化遺産に登録されるほどの世界的なブームになっているが、背景にはヘルシー志向の高まりがあると思う。WHOの設定は和食は確かにヘルシーだが、塩分は高めという弱点を見事についてきている。ユネスコにとって塩分高めはヘルシーと相反するのかしないのか。

私の想像では、ユネスコの審査員は「UMA味」が大変好きだったのだろう。さらに栄養バランスも整っていて油も少ない。肥満も少ないし(欧米に比べれば)長寿大国だ!Wonderful!!(若干塩分高めだけどおいしいし取るに足らないね)じゃ文化遺産決定!と決を採る際に親日家委員による“よだれ”を催すプレゼンが功を奏し、審査員全員の舌が和食モードになったのかはさて置き、とある日本人のケーススタディをしてみたい。

日本人の1日の食事シミュレート

現在の厚労省目標量は男性8g未満、女性7.5g未満(平成27年度版)

私は男性なので目標量8gを基準にして日々の食生活を振り返ってみる。

ここで注意

   ナトリウム1グラム=食塩相当量2・54グラム

食品表示のナトリウムを食塩に換算してあげる必要がある。

私の考える、とある日本人の一日の献立

・朝食

    ごはん    0g

    味噌汁 1.5g

    納豆     0.6g

       梅干し    1.9g

  アジの開き 1.4g

    和食 計5.4g

・朝食

     食パン0.6

 目玉焼き(醤油ひとかけ0.5g)&ベーコン二枚(0.8g)

  コーンスープ1.5g

   野菜サラダ0.3g

    洋食 計4.1g

・昼食

  牛丼 2.5g

・夕食

  寄せ鍋4.0g

 

朝和食→11.9g+3.9g、厚労省148.7% WHO238%

朝洋食→10.6g+2.6g、厚労省132.5% WHO212%

朝食を和洋どちらにしてもこのシミュレーションでは厚労省、WHO目標を大幅に越えてきている。朝食が和食だった場合、朝ごはんだけでWHO1日分をゆうに摂取している。翌日の朝食まで米と水生活である。そんな・・・。

また、このケースは昼と夜のメニューを組み合わせるのがめんどくさくて牛丼と鍋にしたのが敗因かもしれないが十分に考えられる献立じゃないだろうか。

和食では厚労省の1.5WHO2である。こんな食事をしたばっかりに前者では翌日の昼まで、後者では次の日はまるまる絶食しなければならない計算だ(ナトリウムを含まない料理を探す方が難しい)。ユネスコの世界遺産登録はなんと罪深きことか。

ラーメン様の塩暴力

もっと強気なのは世界に誇れるみんな大好き「ラーメン」様である。ラーメン様に関してはとんこつみそしょうゆのジャンルによって塩分が違うだろうが、資料にあるものを参照してみる。

ラーメン8.7g、汁を残せば3.7

完食、是即ち一発KOの如し。厚労省の改定はまるで関係なく塩分過多になってしまう。ラーメン様の前では0.5g減塩したところで焼け石に水である。ラーメン大好き小池さんはこの事実をどう受け止めているのだろうか。

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WHO 塩分5g未満の世界とは

塩分摂取量5g未満を設定している世界保健機関のスタッフは普段何を食べているのか。海外の食事はそれほどまで低塩で構成されているのか。日本食でWHOに従うとなると、味噌汁の汁は半分以上残す、漬物は食べない、アジの開きや明太子などの加工品もダメ、寿司はしょうゆなしで、パスタは塩抜きで茹でる。薄味に慣れることが近道である。

・・・って、ふざけるんじゃないよ!

何が一汁三菜だ。何が減塩だ。味のないメシ食って生きる楽しみがどこにあるんだ。

1億3千万人の怒りがビシビシと伝わってきそうだ。ストイックすぎる制限にこれでは続きそうもない。そこで塩分少な目の工夫メニューを掲載しているウェブサイトを紹介したい。例えばこれとかみんなに喜んでもらえそうなメニュー。

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出典:佐倉市役所 [健康こども部] 健康増進課

http://www.city.sakura.lg.jp/cmsfiles/contents/0000008/8083/genen_resipi_full_new.pdf

www.city.sakura.lg.jp

減塩方法

減塩方法として基本的には野菜、きのこ、海藻を食べるようにとどこのサイトでもすすめている。

カリウム(K)は魚、牛乳、果物類、豆類、野菜類などに含まれる栄養素です。体内の余分な塩分(ナトリウム)を体の外へ排泄することによって血圧を下げることがわかっています。

ほうれん草やバナナ、納豆、ひじきなど、積極的にカリウムを摂る食事を心がけましょう。但し、全体のカロリー摂取がオーバーにならないように気をつけ、また腎臓の悪い人はカリウムの摂りすぎに注意しましょう。

『大日本住友製薬 健康情報サイト』「カリウムには血圧を下げる働きがある」

高血圧予防-カリウム摂取|高血圧と合併症|大日本住友製薬

  • 新鮮な食材を用いる
  • 香辛料・香味野菜や果物の酸味を利用する
  • 低塩の調味料を使う
  • 味噌汁は具だくさんで塩分を控えめに
  • 外食や加工食品を控える
  • つけものを控える
  • むやみに調味料を使わない
  • めん類の汁は残す

さあ、減塩!(減塩委員会から一般のみなさまへ)|日本高血圧学:一般のみなさま向けの情報

その他に興味深いのが食育分野で、幼年期から薄味に慣らせましょうというものだ。私の友人でも名古屋圏と関西圏出身では味の好みが全然違っている。京都や滋賀育ちなら薄味、東海育ちならソース・味噌は必須という具合だ。高齢者にしょう油を控えてもらうのはほぼ無理だ。なんでもかんでもしょう油をかけたがるが、これも食の環境によるものだと思う。

結語

私はとんこつラーメンが好きだし、うどんも好きだ。そしてぺヤング超大盛も好きだ。どんと来いナトリウム制限!どんと来い高血圧からの三大疾病!!

もちろんそんな訳にはいかない。なすべきは日々の積み重ねのみ。

 

幸運にも私は濃い味が苦手で常に薄味で食べている。

ある日、妻と同じサラダを食べていたら私のだけドレッシングがかかっていなかった。これを妻に伝えると「ドレッシング嫌いなのかと思っていた」妻にしてみれば結婚以来の衝撃だったというが、私にとっては嫌がらせ調味料制限以外の何物でもない。おかげで脂質も塩分も控えめになっている。

つまりはこのように日々気を付けながら食事をするしかない。日本人として生まれたからには日本食と決別して生きていけるはずもなく、塩分多めの食事はある程度許容しつつ、減塩や節塩できるところで少しずつ薄味で楽しめるよう慣れていかなければならない。

厚労省の今回の改定「たったの0.5gじゃん」と思ったあなた、むろん私もだがこのしょっぱいが甘い認識を再度意識していきたい。