屈折する星屑エセー

世はさだめなきこそ いみじけれ

ポンコツ医療職員が再編統合医療機関の報道を考える。

 

今日のニュースを見て感じたことをサラっと。

厚生労働省は26日、全国の公立病院と赤十字や済生会といった公的病院などのうち「再編統合の議論が必要」と位置付けた424の医療機関を、実名で公表した。75歳以上の高齢者が急増する2025年度を念頭に、医療費の膨張を抑える観点から効率的な医療体制づくりを加速させるのが狙い。

www.jiji.com

急性期を受け入れる公的医療機関を再編統合して少子高齢社会に適した病院にする。

平たく言えば医療費のコスト削減につなげたいという厚労省の姿勢を打ち出したもの。

 

筆者の今の職場(小規模病院)の近くには某国立病院があり、車で数分の距離には民間の総合病院があり、さらにそのまた数キロ先には大学病院があります。

これらの病院全てに急性期もしくは高度急性期医療を備えているため今回の提言のこのB部分に該当するでしょう。

再検証の要請対象となるのは、下記の(A)と(B)のいずれかに該当する場合。(A)該当は277病院、(B)該当は307病院、これらのうち両方とも該当は160病院で、計424病院。

中略

(B)6領域で、診療実績が「類似かつ近接」(人口100万人以上の構想区域は対象外)307病院(うちBのみ該当147病院、Aも該当160病院)
・「類似」とは、「各分析項目について、構想区域内に、一定数以上の診療実績を要する医療機関が2つ以上ある場合で、かつお互いの所在値が近接している場合」。

中略
・「近接」とは、夜間や救急搬送の所要時間を考慮する観点から自動車での移動時間が20分以内。

424の公立・公的病院等、再編統合も視野に「再検証」|医療維新 - m3.comの医療コラム

実際に公表された実名リストに近所の病院が掲載されています。

なぜなら「近接」に同規模の病院が乱立しているから。

余談ですが、古巣の病院も掲載されていますね。

 

かつて人口増加の時代にはそれぞれ大病院の役割があり、それは特長という形で患者さんをひきつけていたのかも知れません。

例えば、国立病院では採算が取れない僻地に国のお金で公共の医療サービスを提供する。大学病院では先端医療を提供する。民間病院では強い診療科を中心に地域の医療インフラとして機能する。

これは各病院の側面の一部ですが、それぞれが一定の区域内でバランスのとれた医療サービスの担い手だったといえます。

 

しかし少子高齢社会になり急性期から慢性期へとニーズが移る中、元は同じ税金なのですが投入される先の特色が薄れてきたように感じます。

 

筆者の話に戻しますと、今勤務している病院の「近接」の大規模医療機関にどれだけの同じ科があるのでしょうか。

ほとんど診療科はかぶっていますね。

そしてお互いに患者さんを紹介したりされたり、送ったり送られたりとこの手間は何だろうと思います。この距離で。

特に筆者は画像検査担当なので、別の病院での画像に不備があればうちの所でもう一度撮影しますし、またその逆もあるでしょう。これは採血や尿などのデータも重複して検査されることがあるかも知れません。

これに加えて診療情報提供書などの書類も患者さんと一緒に行ったり来たりと、患者さんの移動に関わる手間とコストがなんと多いことか。当然、患者さん自身が移動による負担を強く感じていると思います。

 

筆者は小規模病院の超末端職員なので、なぜ類似病院でこのようなやり取りを是としている各病院上層部、ひいては医師会の考えがわかりません。

それは昔からの慣習もあるでしょう。また、ハイそうですかと簡単に病院を潰せるものでもありません。

理由は多々あると思います。地域に根ざした社会インフラを重視してこそなのかもしれませんし、なんらかの利権があるのかもしれません。きっと後者の思惑のあるのだろうと推測していたら、日本医師会はあまりこころよく思っていない質疑を厚労省にぶつけているそうですね(上記参照記事より)。

 

時代は慢性期に突入しています。癌は根絶より共生が選ばれる社会です。時代が変わっているのだから病院も現状に即した組織に改変されるべきと思いますね。

だってこれらの病院は税金で賄われているのですよ。社会保障費の増大を叫び、消費税まであげたのだからコストの削減は前提だと思いますがね。

近隣の病院を再編するだけで人員、医療装置や建物などの設備がどれだけスリム化されるか考えた方がいいと思います。

CTを例にとると 

 

f:id:xray-stardust:20190926215008p:plain

世界のCTスキャナ保有台数 国別ランキング・推移 – Global Note

この統計からわかるように日本はCT保有台数世界二位です(つい最近まで一位でした)。

日本のように小さい病院までもがどこもかしこもCTを導入していたらそりゃ人口の割合でいくと米国以上の保有台数になるでしょう。ということは同時に医療被ばく世界一といえます。

大規模病院のスリム化によってこのような無駄な税金の使い道と無駄被ばくが減ると思いますね。

 

再編問題への私見はきれいごとかもしれません。ゆくゆくは医療業界人員削減の波が来たら、間違いなくポンコツ技師の筆者の首はアッサリ飛ぶでしょう。

しかしそれはそれでいいのです。このような身を切る覚悟が無いと何も変わりません。

そのときはブロガーとして家のローンを返していこうと思います。

 

絶 対 無 理 !! 

 

以上、早く再編されたらいいのにという末端医療職の考えでした。

だって国立病院のほとんどは赤字ですよ!赤字の補填は税金ですからねー。

yomidr.yomiuri.co.jp