屈折する星屑エセー

本職は医療従事者ですが雑記帳として綴ります。

ネットフリックス「ランク社会」は中国のことだったのか。リアルブラックミラーそしてディストピア。

こんばんは。みなさん、ドラマ見てますか?

 

24、ブレイキングバッド、ウォーキングデッドといくつもの海外ドラマを最初だけ見て毎度挫折しています星の屑です。

しかしブラックミラーだけは最新作ネットフリックスオリジナル『バンダースナッチ』までしっかり観ております。わかりやすくいえば英国版近未来「世にも奇妙な物語」というテイストですかね。

とにかくブラックユーモアたっぷりのSFドラマが好きな人には自信をもっておススメできます。特に往年の「トワイライトゾーン」のファンは垂涎でしょう。

記憶に新しい2018年エミー賞の受賞。権威のある賞を獲得して当然の納得のクオリティ。このドラマを見たら他のは見れないってくらい示唆に富むものとなっています。
とまぁここまでは前置きです。

残念ながらブラックミラーの紹介ではありません。

 

今日グーグルのピックアップニュースを見ていましたら(きっとみんな待ち望んでいるグーグル砲のことかな)、もう驚愕しまして。ブラックミラーシリーズのとあるエピソードが、既に中国の社会システムで運用されているという事実。

それは何かといいますとこちらの記事です。

toyokeizai.net

この中で岩田氏はブラックミラーを引き合いに出して社会的信用度を説明しています。

支払いの多くがクレジットカードのアメリカでは、過去の返済履歴、カード所有枚数、借入残高などの情報が記載されるクレジットヒストリーを基に、各個人の信用度=クレジットスコアという数値が割り出される。一般市民の点数化ですね。アメリカの暮らしでは何かにつけクレジットスコアが最重視される。だからみんなクレジットスコアを上げることに躍起です。(中略)

──高スコアの者はさらに富み、低スコアの者はさらに貧しくなる、と。

動画配信のネットフリックスに、近未来SFドラマ「ブラック・ミラー」というシリーズがあって、その中に信用格差社会の行き着く先を描いた「ランク社会」という作品がある。これは必見です。他人同士が互いに人物評価し合って5段階評価で星を送り合う。評価してくれた人の数や星の数で総合点が出され、その点数によって日常生活での待遇が決まるという世界。星の多い人から高評価をもらうとより点数が上がるので、付き合う人間も選ばなきゃならない。

キャッシュレス普及でくる信用格差社会の恐怖 | ブックス・レビュー | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

https://toyokeizai.net/articles/amp/272245?page=2

ブラックミラーのその回を見ていた私にはかなり想像しやすい社会です。

そしてさらに続きます。ここからが本当に強烈。

え、知らなかったの俺だけ?ってレベルです。

──人のランクづけという意味では、中国の例が強烈でした。

中国では「アリペイ」のクレジットスコアに個人の生活情報も取り込んで点数化する「芝麻(ジーマ)信用」が、個人をランクづけする半ば公的な基準になりつつあります。返済履歴や資産状況はもちろん、公共料金の支払いから学歴・職歴、罰金や犯罪履歴、果ては交友関係、日常の行動・趣味嗜好・関心事、SNSでどんなことを話しているかまで吸い上げられる。

芝麻信用で高スコアだと、病院の預かり金が不要、空港では専用通路で並ばずに手続き、部屋の敷金無料、就活や婚活サイトでも有利など、あらゆるサービスで優遇されます。生活をよくしたければ個人情報をどんどん芝麻信用に提供して点数を上げ、社会的ステータスを高める。そしてできるだけ点数の高い友人知人を増やしてさらに点数を稼ぐ。

キャッシュレス普及でくる信用格差社会の恐怖 | ブックス・レビュー | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基

https://toyokeizai.net/articles/amp/272245?page=3

 トンデモ国家ですね、アリペイとタッグを組んだ中国は。

私が無知だったのかもしれませんが、この話は有名なのでしょうか。

アメリカではクレジットカードの使用歴がその人の社会的信用を決めるモノサシというのは知っていましが、中国ではカードだけではなく学歴・職歴・嗜好・行動・会話の内容・交友関係など個人を形作るすべてにおいてその人の信用度が決定されるということです。

さすが共産圏。一党独裁ではないとここまでの国家の統制は取れませんね。

 

ブラックミラーのこちらの回とまったく同じ社会が既に中国に存在していたのですか・・・。

近未来でもなんでもない。事実は小説より奇なりというやつですね。

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Netflix BLACKMIRROR Nosedive 「ランク社会」

Netflix

ブラックミラーの世界では携帯端末にお互いにいいね!を送り合うことで自分の信用ステータスを上げていき、それによってその人の社会における価値が決まるというもの。(実際にはいいね!ではなく五段階評価のスターですが。あれ、どこかのサービスと似ているゾ)

そのステータスによって利用できるサービスが分けられるという完ぺきなる“いいね!カースト”の世界が描かれています。並べる窓口だったりレンタカーのグレードだったり自身のレベルに相当するサービス以外は利用できない仕組み。

主人公の女性(ジュラシックワールド主演女優のブライス・ダラス・ハワード)はハイクラスの友人が集まる結婚式に招かれ、自身の信用を上げるためにインフルエンサーである高級人種からのいいね!をもらうことを画策しますが、失敗。結局は周囲に軽蔑される信用度の人間に転落するというオチです。

製作者サイドの意図としては世界中が熱気に包まれているいいね!文化へのアンチテーゼでしょう。FB、インスタグラム、ツイッターなどなど(はてなブログも笑)、SNSに浮かれる人種に対していいね!で評価できない人間の本質は本当はどこにあるのか、を問いかけている内容です。ドラマの中ではいいね!に囚われない人種も登場し、ランクしか頭にない人間との対比が描かれます。

 

話は戻りますが、自身のランクで社会的サービスの充実さが変わるなら誰しもがいいね!を必死に集めるでしょうし、その過程で交友関係も決まってきます。同じクラスの人間とでしか交流できない、むしろ交流を望まない時点で社会の分断は簡単にできあがりますね。

さらに、会話・趣味・交友関係が評価の対象なら、その基準はどこに設定されるのでしょうか。こういう考え方ならいいね!だとするなら国家による洗脳もたやすい。むしろ本心はいいね!と思っていなくてもフリをするだけでより良いサービスが受けられるなら、誰しもが信用を格付けている人間の基準に従順になびくと思うのです。

例えば〇〇自治区は〇〇民族固有の領土だ。に対していいね!するだけで就活や婚活で優遇されるなら大多数はいいね!するでしょう。私だってそうする。

極端な話ですが、あり得ないことはない。これは信用の格付けを隠れみのにした、まぎれもない国家による統制、思想・言論弾圧です。個人のすべてを提供し、その見返りに充実した生活と社会的地位を得る。

 

持つものと持たざるもの、支配するものと支配されるもの。

信用カースト制によって分断された社会。

国家により統制・監視された社会。

 

これこそがまさにディストピア。

岩田氏も最後に述べていましたが、同感です。

ジョージ・オーウェルが描いた世界が海の向こう出現し始めている。 

 

googleで検索したら「ネットフリックス ランク社会 中国」って出てきますね。

みんな知ってたのかー。早く教えてほしかったな。

つまり、

ディストピア旅行したくなったらチャイナに行っチャイナってことですね。

 

色々考えさせられましたが、長くなったのでこの辺で終わります。

SNSに取り憑かれている人にこそ「ランク社会」を見てほしいと思います。

承認欲求の激しい人も要注意。

長文お付き合いいただきありがとうございました。


一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)