屈折する星屑エセー

世はさだめなきこそ いみじけれ

被ばくってなんだ。放射線の単位をケンカ中のカップルに例えてみたよ。【グレイ&シーベルト編】難しい数式なし

こんにちは。今日も病院で被ばくさせてまいりました。

今回は前回記事に続きグレイ、シーベルトについて復習していきます。一体誰に向けて記事を書いているのかこの頃よくわかりません。何もかもと無縁のところで戦っている気がしてなりません。が、気を取り直して頑張ります。

前回は放射線の単位でよく聞くベクレル、グレイ、シーベルトを二つのグループに仲間分けしましたね。

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放射線を出す側:ベクレル
放射線を受ける側:グレイ、シーベルト

 

今回は放射線を受ける側のグレイ、シーベルトを数式をなるべく使わず考えます。

グレイ[Gy]とは

今回はまずグレイを考えていきます。かーるく考えます。

グレイはエネルギー

グレイ(Gy)=放射線が物質に与えたエネルギーの量[J/kg]

放射線が通過するときには物や人間にエネルギーを与えていきます。それは同時に物や人が放射線からエネルギーを受け取ったとも言い換えられます。

そのためグレイとは

吸収線量

と呼ばれます。

1キログラム当たり1ジュールのエネルギーを1グレイと表します。

大丈夫ですか?まだ眠くなってないですね?

ケンカ中のカップルに例える吸収線量

わかりやすく放射線を痴話げんか中の彼女のビンタで例えてみましょう。

吸収線量とは彼氏が彼女のビンタからもらったエネルギー

とイメージしてください。

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ここで注意してほしいのは単純にビンタのエネルギーのみをグレイとして表すということです。痛いとか急所に入ったとかグーパンだったとかは関係ありません。彼女からちょうだいしたエネルギーのみです。

グレイ=彼女からもらったエネルギー

非常にわかりやすい例えになりましたね。よかったよかった。

 

シーベルト[Sv]とは

次にシーベルト[Sv]を考えます。
シーベルトはグレイと同様に放射線を受け取る側の単位でした。グレイと何が違うのでしょうか。

シーベルトは人体への影響の大きさ

ん?突然何言ってるかわからなくなりましたね。

吸収線量であるグレイはその対象が人体だけではなく、物質も含まれていました。これを踏まえるとシーベルトがグレイと異なる点は

放射線の影響を人体に限定している

というところです。シーベルトは人体への影響を表す単位なんですね。

これを知っているのと知らないのでは全然違いますよ。

次はシーベルトについてもう一歩踏み込んでみます。

シーベルトは二卵性双生児 等価線量と実効線量

シーベルトという同じ単位なんですが、実は2つの意味があります。このおかげでさらに日本国民を混乱させているのだと思います。大丈夫です。この記事を読み終わるころにはきっと理解できているはず。

そのふたつは等価線量実効線量です。

等価線量

等価線量(Sv)=放射線の種類ごとに影響の大きさに応じた重み付けをした線量 

環境省_単位間の関係https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h28kisoshiryo/h28kiso-02-03-03.html

式で表すと

等価線量(Sv)=放射線加重係数WR ×吸収線量(Gy)

大丈夫、難しくはありません。

放射線にも種類があるよということです。X線、γ線アルファ線ベータ線中性子線とどれも聞いたことがあると思います。そしてそれら放射線が持つエネルギーは同じではありません。そこで係数を掛けてあげることで放射線の強さを補正しています。

 

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環境省_様々な係数https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h28kisoshiryo/h28kiso-02-03-05.html

この表のように放射線の種類によって係数が異なっています。

ケンカ中のカップルに例える等価線量

さきほど彼に食らわせた彼女のビンタを例にだして再び考えてみます。彼女のビンタといっても、パーとは限りませんよね。デコピンかもしれないし、ときにはグーパンかもしれません。そうすると彼氏が食らうダメージはデコピンとグーパンではまるで違います。このように放射線でも種類によって人体への影響が異なるため、線加重係数という係数をかけることで重み付けをしているのです。

彼氏が最初に受けたエネルギー(Gy)×彼女の攻撃の種類(放射線加重係数)

さしずめデコピンがX線で、グーパンチがアルファ線という感じでしょうか。

これで等価線量をイメージできましたね。

いよいよ大詰めです。あっという間でした。

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では次に実効線量を考えます。

実効線量

実効線量(Sv)=放射線防護における被ばく管理のために考案されたもの 

環境省_単位間の関係https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h28kisoshiryo/h28kiso-02-03-03.html

???

「考案されたもの」とは?

そうです、被ばくした量をより正確に表すために補正する方法が考案されたのです。
環境省の説明を引用しますと、

実効線量は

等価線量に対して、臓器や組織ごとの感受性の違いによる重み付けをして、それらを合計することで全身への影響を表します。

環境省_単位間の関係https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h28kisoshiryo/h28kiso-02-03-03.html

体の臓器や組織によって放射線による影響が異なるため調整しましょうということです。

式で表すとこうなります。

実効線量(Sv)=Σ(組織加重係数×等価線量)

ちょっと、見慣れない文字があるけどこれはタイプミス?Σ?

?Σ?←人の顔に見えてきたけどシグマだっけ?なんだこれ?

ケンカ中のカップルに例える実効線量

またわかりやすくするために常連のケンカ中の彼氏彼女に登場してもらいます。

彼女による物理的攻撃ですが、彼氏にとってみればどこにヒットするかも重要になってきますよね。必ずしもホッペとは限りません。ボディかもしれませんし、目つぶしや股間の場合だってあります。そうすると彼氏が受けるダメージは体の部位で全然違ってきますね。彼氏にとってのダメージは仮にボディが1とすると、股間への攻撃は10くらいの影響があると思います笑 想像しただけで痛いですね。これが組織加重係数にあたる部分です。
続きます。

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さらにボディにパンチが入ったとしても、肝臓だけにダメージがあるわけではないですよね。肌も赤くなるし、もしかしたら骨もヒビが入るかもしれません。そこでダメージを受けたそれぞれの部分を合計して全身が受けたダメージにしましょうということなんですね。

これがΣ(シグマ)の部分。

肌のダメージ+骨のダメージ+肝臓のダメージ+・・・他の組織臓器のダメージ=彼氏が受けた全身のダメージ

これを実効線量として表しています。

つまり、実効線量とは放射線によるダメージが放射線の種類と人体の受ける部分によって違ってくるので修正してあげてそれら合計することで体全体で受けた影響ということにしましょう。という話です。

 

最終的に人体の被ばくについての線量限度はこの実効線量で表されます。

 

実効線量の式を簡単に図で表すとこうなります。

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放射能・放射線の単位 | 放射線と放射線防護

https://www.jaero.or.jp/sogo/detail/cat-03-02.html

 
まとめ

カップルの例で実効線量とは

“彼氏が受けた彼女からのエネルギー×彼女の攻撃の種類×彼氏が攻撃を受けた部分的補正“

そしてこれらの彼女の攻撃を受けた部分をひとつずつ足し合わせることで全身のダメージとして換算すればオッケー!

という力技で説明をしてきましたがわかっていただけましたでしょうか。

 

うむ、放射線による影響を痴情のもつれに例えると大変想像しやすくなりましたね。

でも上のカップルは物の例えですので、実際の影響は違いますよ。

ちゃんとした表をお借りしてきましたので興味のある方はサラーっと見ておいてください。

技師養成校の学生さんは数値をきっちり覚えましょう。(ICRP2007年)

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放射能・放射線の単位 | 放射線と放射線防護

https://www.jaero.or.jp/sogo/detail/cat-03-02.html

わかりやすく説明していますので表現として厳密には当てはまらない箇所もあるかと思いますが、大目に見てやってください。

 

では今日もこのあたりで流浪のブログ記事を終わります。

ベクレル、グレイ、シーベルトがかなりイメージできたのではないかと思います。

これでニュースで聞いてもバッチリですね。

 

むずかしい話でしたが最後までお付き合いありがとうございました。

興味のある方はこちらもご覧ください。 

www.ladystardust.space

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最後に

わかりやすく解説したリンクを貼っておきます。

www.env.go.jp