屈折する星屑エセー

世はさだめなきこそ いみじけれ

岩屋防衛大臣の「棚上げ」問題を石原慎太郎『正論』より読み解く

本日付の産経新聞『正論』にて作家・石原慎太郎が寄稿した論文が今の時代には異次元的な内容だったので少しばかり紹介したい。

と、その前にこちら。

シンガポールで開かれているアジア安全保障会議に出席した岩屋毅防衛大臣。彼の行動と発言に関して世論は荒れている様子。大炎上。

毎度、お祭り男・百田尚樹も参戦中のこの問題。

課題棚上げで「未来志向」 岩屋防衛相、戦略なき中韓との会談

岩屋氏が意欲を示していた韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相との正式な会談は見送られた。レーダー照射問題をめぐり日本は再発防止を求めてきたが、韓国は事実を認めず、自衛隊機の飛行を「低空脅威飛行」と非難してきた。事務方の調整でも折り合わず「会っても建設的な議論にならない」(防衛省幹部)と判断した。

それでも岩屋氏は「ぜひお目にかかりたい」と秋波を送り、約30分の非公式会談に臨んだ。レーダー照射問題は双方が従来の主張を繰り返し、平行線に終わった。岩屋氏は記者団に「話し合って答えが出てくるという状況ではない。未来志向の関係を作っていくために一歩踏み出したい」と述べ、今後は関係改善を優先する考えを示した。

2019.6.1 21:43 sankei news 石鍋圭

https://www.sankei.com/politics/news/190601/plt1906010031-n2.html

このような具合で自衛隊員の命に関わり、さらには偶発的な武力衝突にもなりかねなかったレーダー照射事件に関して棚上げを決定した模様。

何だろう。

喧嘩をふっかけられたにも関わらず知らばっくれる奴にわざわざ自分からお目にかかりたいというのは、一体どんな気持ちなのだろう。右の頬を打たれたら、左の頬を向けよというイエスのお言葉を実践しているのか。

かのキリスト教国家アメリカの大統領は報復を禁じるどころか、報復に次ぐ報復をしている。これが外交というものなのだが・・・。

 

しかし、報道の通りに正面から岩屋防衛大臣の行動を受け取るのも早計なのかもしれない。

ここで石原慎太郎の本日付の産経新聞朝刊『正論』記事を一部引用してみる。

悪しき「指導者」をどうするか

権威に弱い彼等の国民性

文が熱願する南北の統一が実現した時、一番立つ瀬がなくなるのは韓国の国軍だということだ。

(中略)

歴史の経過の中で培われた民族の精神構造は自主性を欠き権威に弱い卑屈なものになりやすく、優位なものになびく真の自立性を欠いた非弱なものになりやすい。現代の韓国における財閥の課題な権威もその証左であって国民の卑屈さを表している。

2019.6.5 産経新聞朝刊『正論』石原慎太郎

このように石原は文大統領の悲願である南北統一の折には韓国軍の存在意義がなくなるとし、この権威(軍や財閥)の前に韓国の民族は非常に脆弱だと解く。

しかしながら石原の主張は韓国の権威主義的な民族性ではなく共産化を防ぐことこそが日韓の共通の目的であると結ぶ。

今私たちが心得、腐心して防がなくてはならぬのは、間近な隣の朝鮮半島が北にのみ込まれ共産化されるのをいかに防ぐかという事に他なるまい。

周囲にいてそれを望む者、望まぬ者たちの野心の軋轢の中でいかに国家民族の自主性を守り保つかという、際どい選択の岐路にさしかかっている隣国に我々は率直な提言を惜しむべきではない。

 2019.6.5 産経新聞朝刊『正論』石原慎太郎

つまり石原の理論に基づいて今回の岩屋大臣の行動を紐解くと、

南北統一による半島の共産化を防ぐために日韓の軍が協力し文大統領を引きずり降ろそうとしている

と、受け取ることもできるのではないか。

韓国軍は自らの存在意義のため、日本にとっては韓国を防共とさせるための。

 

岩屋大臣は「棚上げ」への国内の猛烈な批判が予想される中、あえて将来を見据えて、現役自衛官の信頼をも犠牲にして未来的な対北政策を擦り合わせたのではないか。

とこのように筆者は思いたい。かなり希望的な見方であるが、こうであってほしい。かばうつもりはないが、日本の防衛大臣として情けないという思いを国民に持たせないでほしい。

しかし、あの笑顔には日本国民には裏切りととられても仕方がない。