屈折する星屑エセー

世はさだめなきこそ いみじけれ

【怪談】廃ホテルと悪霊退散の巻【実体験】

いよいよ、夏本番。

京都では最高気温が40度に達しようとしています。

いやもう暑い暑い。エアコン発明した人にノーベル賞あげたいですね。

 

そこで今日は少しでも涼しくなるように怖い話でもしようと思います。

ちなみに筆者の実体験ですのでこの手のお話が苦手な人は素通りください。

(ヤマなし、オチなし、イミなしの構成ですので忙しい方も素通りください)

 

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ペルミケさんによる写真ACからの写真

 

あれはもう10年以上前の夏のことです。

実家は温泉で有名なとある山あいの田舎町。私はそこでニート生活を送っていました。

しかし友人は仕事をしているので遊ぶとなれば自然と夜になります。

遊ぶといっても友人は仕事帰りにウチに寄ってダラーっとする。ただそれだけのことです。それが日課になっていました。

 

しかしその夜は違いました。

「私ちゃん、今から行っていい!?」

着信があり電話に出てみると友人からでした。

いつもはアポなしで来るのに、その晩は事前に私の在宅を確認したのです。

どうやら車の運転中に電話をしている様子。

立て続けに

「やべー、いや、ほんとにやばい」

と何やら焦っています。

どこかいつもと様子が違いますが運転中だったので、私が在宅していることだけを伝え電話を切りました。

 

違和感を覚えましたが落ち着いて話を聞こうと友人の到着を待つことに。

20分ほど経ち、車の音がして友人がやってきました。

かなり表情がひきつっています。

そこで話を聞いてみると・・・

 

友人と友人の父、そしてその悪友数人で肝試しに行った。

場所は湖畔にたたずむ廃ホテル。

敷地に入った瞬間、空気が沈んでいるのがわかったそう。

季節は夏。日が落ちているとはいえ、気温は高い熱帯夜。

しかし強まって来る寒気。

全員で草が生い繁る藪で覆われたホテルの周囲を散策していると

「腕がつかまれてる!!」

最後尾を歩いていた親父の悪友の一人が叫んだ。

何かに右腕を引っ張られているというのだ。

全員で駆け寄ると彼の体の自由は戻ったが、腕の痛みはまだ残っている。

この時はまだ本人以外は半信半疑であり、肝試し中によくある気のせいだろうと思っていた。

しかし、彼があまりに痛がるので腕を確認することに。

懐中電灯で照らした腕にはくっきりと手形がついていた。

右腕なのに右手で掴んだ手形が。

しかもかなりの力で掴まないとできないような赤く変色した指の形がついている。

その人は最後尾だったので誰も彼の腕を掴む位置にはいなかった。

これはあちらの世界の人に引き込まれたのだ。

これは警告だ。

この場所にいてはいけないと確信しそのまま全員現地解散したという。

 

汗をかきながら一気に話した友人は、確かに空気がおかしかったと言います。あれほどまで圧迫感のある空気はこれまで経験したことがないと。

昔からヤンチャしていた親父とその悪友たちが解散したほどなので悪意のある別の存在を感じたのは間違いありません。

 

わずか1時間前の体験談を聞いて実際にそんな話が身近にあるのかと私は思ったんですね。心霊なんてテレビだけの話ではなかったのかと。

しかし友人はその後衝撃的な発言をしたのです。

 

 

 

「私ちゃん、明日も行こう」

 

 

 

と。

これが私のニート生活一番の最悪な瞬間でした。 

怖い話でよくあるいわゆる”友達の友達”ではなく、親友がリアルに体験してきたその現場へ実際に行く。まさか自分にこんなシチュエーションがやってくるとは覚悟していなかったのです。

それも唐突に。

 

でもよくよく考えたらおかしな話です。

怖い目にあってるのになぜ翌日も行くのか。

それを聞くと、どうやら友人の親父は自分の納得できないことが大嫌いなのだそう。

さっき体験した不思議な出来事も全然納得できていないらしく、原因を突き止めたいのだとか。 

徹底的に科学者思考を持つ親父には唖然とさせられましたが、その親父さんは全然怖くないのだと言います。自分を痛い目に合わせる人間が世の中で一番怖いのであって、危害を加えないものは何も恐れることはないと。

それ故、あまりに不可解な事件を解明したいそうなのです。

 

でも、そこでなぜ私が誘われたのか。

ここが全く理解できない。

人数を増やしたところで何かが変わるわけでもない。そして心霊の類はあまり信じてはないけど、怖がりなので心霊スポットには絶対に行きたくない。

私が行ったところで何も変わらないのになぜ誘ってくるだろうか。

マジかよ

と内心思っていました。

 

 

翌日の夜。

友人と共に出発します。集合場所には友人の親父とその悪友たちが待っていました。

腕を掴まれたおじさんもいましたが、その腕は1日経つと跡が消えていました。

その場でも先日の出来事は何だったのか議論が交わされています。しかし埒が明かないので現場に行くことに。

 

問題の廃ホテルに到着しました。

各自懐中電灯を持って敷地に入ります。

私も何でこんなところに来てしまったのかと後悔しながらもみんなのあとをついていきます。

夜の廃ホテル。

字面だけでも怖いのに、実際の建物は怖いどころではありません。

ガサッ!

風で草木が揺れるだけでも何かがいそうに思えます。

今夜のえじきは私ではないのかとビクビクしていた矢先、友人の親父が呟きました。

 

「今夜はなんか違うな」

 

それを聞いた悪友たちも「違う違う」と口々に呟きます。

どうやら昨晩の重苦しい空気は全然感じないというのです。

その後、腕を掴まれた場所に行って入念な現場検証が始まりましたが、原因はわからず。昨夜と同じ現象は起きませんでした。

 

そこで調子に乗った私たちは昨夜は入ることを拒まれたホテルの中にも入りフロントなど一階のあちこちを散策しましたが、荒れている以外特に変わった様子もありません。

メンバーも昨夜と同じなのに今夜はなぜあの重苦しい空気がないのか。

 

そこで出た友人親父たちの結論は

 

私ちゃんがいるからだ

 

と。

確かに昨夜の状況と違うのは私の存在ですけどね、だからって私を先頭にしないでくれるかな!おじさん達よ!

私を先頭に二階に向かいます。階段を懐中電灯で照らした時に

 

ニャァ!!!

 

と猫が飛び出て来ました。

この瞬間、口から心臓が飛び出ました。マジでビビりましたよこれは。

あとは階段の踊り場で大きな鏡があったので、まぁそこは見ないようにして二階の客室へ。

その後も特筆するべきこともなく肝試しが終わりました。

結局のところ昨夜のアレは何だったのかとみんないぶかしげながら帰宅しました。

 

 

全ては私のせいにして。

 

 

なぜか私はその日から肝試しの正式メンバーに加えられ、本人の意志に関係なく県内の心霊スポットを連れ回されることになったのです。

廃テーマパーク、廃ホテル、外国人墓地などなど。

行く先々で、友人親父達が体験した怪奇現象(下見の時にちょこちょこ何かが起きていたらしい)が全く起きずいつの間にか私は

 

ゴーストバスター

 

の異名を与えられました。

 

「私ちゃんが来ると何にも起きん。霊が逃げる」

「私ちゃんはどんだけすげー守護霊いるんだよ」

 

おれは平成の霊能力者・宜保愛子じゃねぇっての!

 

本人は何も感じない感。ビンビンの愛子とはそこが違うぜ!

おれはビビってるし、連れて行ったところで何も解決しねぇぜ!

だっておれが行ったら出るものも出ねぇからな!!

歩く悪霊退散。

 

ということで心霊現象でお困りの方、令和のゴーストバスターこと星の屑がお邪魔させていただきます。私が近寄れば心霊現象は全く起きませんので。

怪奇番組に一番呼ばれない人種ですな。

 

はい、以上で怪談は終わりです。

長文のくせにヤオイ展開の今回の記事にお付き合いくださりありがとうございました。

 

友人の親父達に学ぶ教訓

疑問は残さない!わかるまでやる!

自分が納得するまでやってみる!!

必要以上に怖がらない。物事の真理を見極める。

以上の三点です。

これを胸に明日からも生きていこうと思います。